プロジェクト

どんぐり会館・ぎょうざ湯

このプロジェクトに関してはとても私的な要素が多いのですが、私ども昔からサウナが好きで、毎週木曜日の会議(不動産と建築のミーティング)の後にはサウナに行って夜ご飯を食べにいくという一連の流れを数年間続けておりました。

そんな折にコロナ禍の影響で、ホテルになる予定だった物件が空いたというお話を頂きました。当時私たちは飲食会館(小さな飲食店が複数入っている建物)をいつかできたらいいなという夢があり、この話は渡りに船でした。すぐにお話しを進めることになりました。

元々あった建物は道路側に木造2階建ての建物が1棟、奥にRC造の3階建ての建物が1棟あり道路側でお好み焼き店を奥は従業員の寮のような使われ方をしていた建物でした。中庭があり、風情があるような唯々古い汚れた建物ともいえるものでした。2階部分は飲食店に賃貸にだし、1階の表側を我々で運営している「夷川ぎょうざなかじま」の2号店にするという話になりました。

その時、1階奥のスペースをどのように貸す運用ができるかということになったのですが、一度2階に上がって奥まで歩き、又1階に降りるという動線しか確保できない状況でしたので家賃もなかなか取りにくく将来的に貸しにくい場所になることは安易に想像できました。また私たちが行きつけにしていた浴場にちらほらと若者たちが増え、人が多すぎてサウナに入りにくくなるということが起こり始めていました。

軽い感じで「サウナやる?」みたいなことを誰が言ったか話が一気に進み始めました。自分たちが入りたく、使えるサウナを造ろうということになりました。

それが「ぎょうざ湯」という餃子店の奥にサウナがあるお店の誕生でした。
手前の餃子店は地元の人達が来やすいように昔ながらの町中華に、奥は「ゴージャスな温浴施設にする」ということになりました。お風呂入って上がった後にすぐに座敷で御飯が食べることが出来る。昔からあるスーパー銭湯のスタイルですがサウナは1グループの貸し切りにしてゆっくり入ってもらうことが出来るようにしました。

他にこのような施設が無かったので入浴の金額設定などなかなか難しく議論が白熱したところではありました。結局建物全体の想定の工事費の約50%をサウナ施設に費やすことになり、予算も大幅にオーバーする事態になってしまいました。しかし蓋を開けてみるとコロナ禍で接触が疎まれる状況下で「貸し切り」ということが時代に合い、飲食店ではお酒が出せないことで苦境が続きましたがこの「ぎょうざ湯」が想定以上にあたったこともありなんとかコロナを乗り切れました。

元々は自分たちが使いやすいサウナを造ったのが始まりでしたが今や自分たちも入れないくらいの人気施設になり、うれしいのか悲しいのか微妙な施設がこの「ぎょうざ湯」です。